「相続」を「争族」にしないために今できること
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今回は、皆様にとって非常に身近でありながら、とかく後回しにされがちなテーマ、「相続」についてお話しさせていただきます。よく耳にする言葉に「争族」というものがあります。これは、相続が原因で家族・親族間の争いが起こってしまう状況を指します。せっかく築き上げてきた大切な財産が、ご家族の絆を壊す原因となってしまうのは、誰しもが望まないことです。
しかし残念ながら、現実には多くの「争族」が発生しています。その背景には、法的な知識の不足、感情的なしこり、そして何よりも「準備不足」があると言えるでしょう。
なぜ「相続」が「争族」になってしまうのでしょうか?
相続が争族に発展する主な原因はいくつか考えられます。
1.感情的な対立: 長年の兄弟姉妹間の不和、親の介護に対する貢献度の違い、特定の相続人への感情的な偏りなどが、相続を機に噴出することがあります。
2.情報不足・不透明性: 故人の財産がどこにどれだけあるのか不明瞭な場合、疑心暗鬼を生み、不公平感から争いになることがあります。遺言書がない場合も、法定相続分通りに分割するかどうかで揉めるケースが多々あります。
3.専門知識の不足: 相続税の計算方法、遺産分割協議の進め方、特別受益や寄与分の概念など、相続に関する専門的な知識が不足していると、誤解や認識のずれが生じやすくなります。
4.生前対策の不足: 遺言書の作成、生前贈与、家族信託など、生前からできる対策を怠った結果、相続発生後に取り返しのつかない状況に陥るケースもあります。
「争族」を避けるために今できること
では、「争族」を避けるためには、私たちはどのような準備をすれば良いのでしょうか?
1. 家族との対話:タブー視せず、オープンに話し合う
「相続」の話は、なんとなく縁起が悪い、家族間で話しにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、最も大切なのは、元気なうちに家族で相続について話し合うことです。ご自身の財産状況を共有し、希望を伝えることで、相続人の間で無用な憶測や誤解が生まれるのを防ぐことができます。
2. 財産状況の把握と整理:見える化が第一歩
ご自身の財産がどこに、どれだけあるのかを明確に把握し、リスト化しておくことが重要です。預貯金、不動産、有価証券、生命保険、そして借入金などの負債も漏れなく洗い出しましょう。これにより、相続人全員が公平に情報を共有でき、透明性の高い遺産分割協議が可能になります。
3. 遺言書の作成:あなたの意思を明確に
遺言書は、ご自身の財産を誰にどのように引き継ぎたいかという、あなたの最終意思を示す最も強力な手段です。法定相続分通りに分割するとしても、遺言書があることで、争いの余地を大きく減らすことができます。特に、法定相続人以外の方に財産を遺したい場合や、特定の財産を特定の相続人に引き継がせたい場合は、遺言書の作成は必須と言えるでしょう。遺言書にはいくつかの種類があり、それぞれ要件が定められていますので、専門家のアドバイスを受けながら作成することをお勧めします。
4. 生前贈与・家族信託などの検討:計画的な財産移転
相続税の節税対策としても有効な生前贈与や、特定の目的のために財産を管理・運用する家族信託なども、選択肢の一つとして検討する価値があります。これらの制度を活用することで、将来の相続をよりスムーズに進めることができます。ただし、これらの対策は専門的な知識が必要となるため、安易に自己判断せず、必ず専門家にご相談ください。
5. 専門家への相談:税理士・弁護士との連携
相続に関する問題は、税金の問題、法律の問題、感情の問題など、多岐にわたります。税理士は相続税の計算、申告、節税対策、そして財産評価や遺産分割協議のアドバイスを通じて、円満な相続をサポートします。また、遺産分割協議が難航しそうな場合は、弁護士との連携も視野に入れる必要があるでしょう。早期に専門家へ相談することで、問題がこじれる前に解決の糸口を見つけられる可能性が高まります。
相続は「究極の家族会議」です
相続は、単なる財産分割ではありません。それは、故人が生きてきた証であり、残されたご家族が故人を偲び、未来へと絆を繋いでいくための大切なプロセスです。まさに「究極の家族会議」とも言えるでしょう。
税理士法人アイビスでは、皆様が「相続」を「争族」にしないよう、税務面から全力でサポートさせていただきます。初回のご相談は無料で承っておりますので、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。皆様の疑問や不安を解消し、ご家族皆様が笑顔で未来を迎えられるよう、誠心誠意お手伝いさせていただきます。